

辰也さんの前職はPA(音響)。ご自身で運営されている西洋野菜を販売するマルシェでは、自らDJをすることもあるとか!
今回、東京で育つ西洋野菜のお話を伺うために訪れたのは、あきる野市にある種苗店・野村植産(株)。ここで、店主の野村辰也さん・幸子さんは、主に農家さん向けに野菜の種や苗、農業資材等を販売されています。
それと同時に、「東京西洋野菜研究会」として、地元・あきる野市を中心に地域で営農されている複数の農家さんとともに、西洋野菜の販売と普及活動を行っています。
取材に訪れた12月半ば、畑には色とりどり20種類以上の西洋野菜が丁寧に植えられて育っていました。
東京西洋野菜研究会の誕生
もともとは、辰也さんは音響のお仕事を、幸子さんはデザインのお仕事をされていましたが、結婚を機に幸子さんのご実家である種苗店を受け継ぐことに。今でこそ、畑いっぱいに植わっている西洋野菜ですが、最初から力を入れていたわけではなかったと振り返ります。
西洋野菜は色鮮やかで可愛らしいものが多く、見た目にもワクワクさせてくれます。
最近では、スーパーやレストランでも見かけることが増えてきました。とはいえ、実はどのような味で、どう調理すれば良いのか分かりにくいものが多いと思います。
もっと一般家庭でも楽しんでほしいという思いから、2018年に東京西洋野菜研究会を立ち上げました。
きっかけは、ある農家さんと雑談している時にふと出た言葉でした。「変わった野菜をつくること自体は楽しい。でも、売れないんだよね…」
そこから東京西洋野菜研究会として、不定期に開催するマルシェでの野菜販売に始まり、家庭でも楽しんでもらえるようになるべくかんたんなレシピの考案なども行ってきました。
東京西洋野菜研究会のSNSやパンフレットを見てみると、たくさんのレシピが掲載されていて、思わずいろいろな野菜を試してみたくなります。
畑を歩いて知る、野菜の個性
この日、畑を周りながら実際にその場でいろいろな野菜を食べさせていただきました。
「日本人と比べてイタリア人は苦味を楽しむんですよね」と幸子さん。確かに、トレビス、ルシア、プンタレッラなど、どれもそのまま生で食べるととても強い苦味が口の中に広がりました。
日本の食文化においてはあまり出会わないような苦味を持つ西洋野菜ですが、じっくり食べ比べてみると、苦味の特徴も野菜ごとにさまざまであると気付かされます。
なんとなく名前を聞いたことはあっても、実際に畑で育つ姿を見るのは初めての野菜だらけ。驚きと発見に溢れていました!
(↑軟白前のタルティーヴォ)
(↑ワイルドな見た目のプンタレッラ)
食卓に新しい出会いを
野村さんはそれぞれの野菜のおいしい食べ方を教えてくださいました。
イタリア原産、深い緑色で凹凸のある葉が特徴的な非結球キャベツ、カーボロ・ネロは、じっくりと煮込むことで良い味が出るといいます。特にスープにオススメとか。カーボロ・ネロは、一度食べるとやみつきになる人も多いそうです。
また、お土産にいただいたプンタレッラは、水にさらしてから炒めると苦味が弱まり食べやすく、シャキシャキした食感を楽しめましたよ。
最近は、自宅で台所に立つ時間が増えたという方も多いかもしれません。
「家庭の食卓でも日常的に楽しんでほしい」 そんな思いで育てられた西洋野菜との新しい出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「しゅんかしゅんか」や「のーかる」で見かけたら、ぜひ一度お試しください。
