都内農家としては珍しく、トウモロコシ・枝豆・ほうれん草・小松菜を中心に、品目を絞った鋭い営農スタイルをとる。
今年は、エマリコくにたちとJR中央線コミュニティデザインの共催プログラム「イートローカル探検隊 くにたち援農部」も受け入れながら、農に関心の高い市民との交流も活発化させている。
夏の主役といえば、トウモロコシ!
中でも毎年人気の、甘みが詰まった黄色い宝石「ピクニックコーン」の秘密を探るため、国立市谷保・中屋農園の遠藤充さんにお話を伺ってきました。
栽培から販売までを一貫
もともと会社勤めをしていた充さんは、今年で就農13年目。
充さんを中心に、先代である常臣さんと奥様・嘉(よしみ)さんと3人で営農されています。
中屋農園の特徴は、品目を絞った栽培スタイル。
夏はピクニックコーンと枝豆、秋冬はほうれん草と小松菜と、年間でほぼこの4品目のみを生産しています。
品目が少ない分、ひとつの野菜にかける熱量は段違い。全ての品目で種を畑に直播きし(これはとてもすごいこと)、しっかり大地に根付かせる栽培を徹底しています。
特に毎年6月下旬〜7月中旬のみ販売するピクニックコーンは、もぎ取りと庭先販売のみで多い日には1,500〜2,000本以上売り上げる、家族総出の大仕事!お子さま連れを中心に毎年大人気です。
(※収穫体験の写真は、他の畑で農いく!を開催した時のイメージ写真)
品種に惚れ込んだ
ピクニックコーンは、手のひらサイズと小ぶりで食べやすく、平均糖度18度以上の新進気鋭の品種!
出会いは、就農時に通っていた農業試験場でした。
当時流行っていたスイートコーンの波に乗り、充さんもどの品種にしようか試行錯誤されたそうです。
その中で、甘いだけの品種は数あれど、甘みと旨味、ぱつっと弾けるような食感…あらゆる面でバランスに優れた品種はピクニックコーンしかないと強く感じたとのこと。
「甘いだけなら果物でもいい。野菜のおいしさを感じてほしいです」と話す充さんは、この日の取材中一番楽しそうな顔をされていました。
畑にお邪魔すると、畝ごとに、腰くらいの高さから人の背を越す高さまで青々としたピクニックコーンが並び、太陽の光を浴びながら収穫の時を待っていました。
すでに充さんは、出荷開始を目前に控えて毎日ソワソワしているとのこと。今季もとても楽しみですね!
一貫する「楽しさ」
「人を驚かせることが好き」そう語る充さんは、よく庭先販売の際に「騙されたと思って、生で食べてみてください」とお客さんへ声をかけるそうです。
半信半疑のお客さんがおそるおそる口にして、そのおいしさに驚いたときの顔を見るのが好きなのだそう。
「農いく!」や「イートローカル探検隊 くにたち援農部」などの体験も受け入れている充さん。
通底するのは、農業をいろいろな面から楽しんでもらいたいという想い。庭先販売やもぎ取り体験を続けているのも、農園に直接足を運んで、野菜を見て、土を感じてほしいという理由からです。
「幼稚園の頃から通ってくれる子もいれば、もう来なくなっちゃった子もいる。だけど、その子の親御さんが来て、また子どもの分も買っていく。楽しかった思い出や味は忘れないですよね」と話してくれました。
だからこそ、「絶対に手は抜けない」と力を込めます。
(イートローカル探検隊 くにたち援農部受け入れの様子。参加者=隊員たちへ毎回違う農作業を指導・共有しながら、交流を深めている。)
農業は、天候や土壌環境などに大きく影響される業種。
それゆえに、毎年100点を取ることではなく、「自分の力を100%出し切る」ことを追求する充さん。
ピクニックコーンは、6月下旬から7月中旬まで、中屋農園の庭先での販売&もぎ取り体験を実施中!
(トウモロコシが収穫できない日は臨時休業となるので、詳しい営業情報は中屋農園のInstagramをチェックしてください♪)
https://www.instagram.com/nakayacorn/
本当に旬が短い、今だけの味。ぜひみんなで楽しみましょう!