昨年の「農いく!」では、14組の親子が冨澤ファームの畑でじゃがいもの植え付けから収穫までを体験。
学生時代には、先生になることを志したことも。ぜひ「畑のオープンキャンパス」で学びに満ちた体験を!
一度訪れたら、何度でも足を運びたくなる。
本来の農業生産に留まらず憩いの場としても機能している三鷹市の農園「冨澤ファーム」。
ここでは、年間約30品目のおいしい野菜はもちろんのこと、さまざまな人々が交流する新たな畑の形が生まれています。今回はファーム四代目・冨澤剛さんから、農業にかける思いや、畑を通じた人々との繋がりについてお話を伺いました。
畑のオープンキャンパス
冨澤さんは、都市農業の「改革者」として新たな挑戦をし続けています。
今年から始まった取り組みのひとつが「畑のオープンキャンパス」。
農業や畑に興味はあるけれどなかなか触れる機会がない…そんな人でも気軽に来られるようにと、毎月第4土曜日に畑を開放されています。
もともとは、無償で畑仕事を手伝ってもらうことに申し訳なさも感じていたと言いますが、「畑に来るとリフレッシュできる」という声がとても多く、畑で過ごす時間の特別さに気づいたそうです。
「旅行やレジャーなどの自粛が求められている今だからこそ、畑に来たいと思ってくれている人に来てほしい」そんな思いから、この畑のオープンキャンパスが生まれました。
実は、この記事を書いている私も冨澤ファームに通うメンバーの一人。畑で農作業のお手伝いをしながら、時には人生相談に乗っていただくことも…。
冨澤ファームは、いろいろな方との出会いの場であり、ついまた来たいと思ってしまう居心地の良い空間です。
(昨年の農いく!に参加されたご家族。農いく!以外にも、親子連れで援農に来る方も多いといいます。)
落ち葉は宝の山
冨澤ファームの畑の一角に積み上がる落ち葉の山。
これは今年の冬、三鷹にある国際基督教大学(ICU)の森からかき集めてきた落ち葉です。
その量は、なんとトラック5台分!毎年、ICUの畑サークルの学生や、冨澤さんの仲間が手伝いに来ています。
このように冨澤ファームでは、土づくりも地域との繋がりから生まれているのですね。
(落ち葉の山に登りポーズを決める、お茶目な冨澤さん^^)
三鷹の農家は、古くからICUの森の落ち葉を畑の土壌改良のために役立ててきました。
集められた落ち葉は、微生物による発酵の力で一年をかけて腐葉土となります。
完成した腐葉土は苗づくりの土になったり、馬糞と混ぜて有機堆肥になったりとおいしい野菜づくりのために活用されていきます。
森の資源を活用することで森の保全にも貢献する落ち葉掻きですが、近年では雑木林の放置によって「ナラ枯れ」が深刻となり、落ち葉の量は年々減ってしまっているそうです。
(今年集められたICUの森の落ち葉。これから一年かけて腐葉土となる。)
(こちらは発酵が進んだ落ち葉堆肥。自然の力でここまで変化するのかと驚く。)
農園から地域を笑顔に
「食・農を通して笑顔の場と機会を創造する」と掲げる冨澤ファームを語る上で欠かせないのが、人との繋がりです。
社会人や大学生を中心とした援農団体、子ども連れのご家族、取引先のレストランのスタッフなど個性豊かな仲間が足繁く畑に訪れます。
最近では、一般家庭で作られた生ごみコンポストを畑で回収する活動も行い、環境に配慮した循環を創り出しています。
「私自身は、そろそろプレイヤーを卒業して、マネージャーとして人の成長のサポートや場づくりに貢献していきたいんです」と笑顔で話す冨澤さん。
畑や地域を思って行動を続ける温かい人柄に惹かれた人々で、いつも畑は賑わっています。
今回お話を伺って、これからどんな風に進化を続けていくのか、ますます楽しみになりました。
(冨澤ファームをもっと知りたい!という方は、ホームページやInstagramもcheck!)
HP:https://tomizawa-farm.tokyo/
Instagram:https://www.instagram.com/tomizawa_farm/