とてもバイタリティ溢れる農家さんで、今年からスタッフの採用も始め、二人三脚で日野の農業を盛り上げています。
川名さんが地域の仲間と協働で取り組む「Hino Spring Market」にも要注目です!
日野市のまちなかには、2019年3月に生産緑地を借り受けて新規就農した川名桂さんが営むNeighbor’s Farmがあります。
「Neighbor」とは、「お隣さん」という意味。可愛いハート型の葉っぱのロゴは、「お腹だけでなく、心(ハート)も満たす農業をしたい」という思いから、ご自身の名前の「桂」と「桂(かつら)の木の葉形」をモチーフに作られました。
農園の全栽培量の9割を占めるトマトについて、栽培から食卓へ届くまでの背景をお伺いしました。
Neighbor’s Farm誕生まで
就農前は、福井県にある22万本を超えるトマトの樹を栽培する会社で、栽培はもちろん、営業や流通など何でもこなしていたという川名さん。
そこで過ごした2年半は、数字に追われる日々が続き違和感を感じることも多かったそうです。
そんな折に帰省した東京の直売所では、たくさんの地元の人が野菜を手に取っているのを見て、とても需要がある!と実感したそう。
「つくる人と食べる人の距離が近い場所でトマトをつくりたい!」という思いを持ち、畑と食卓が繋がることを目指すNeighbor’s Farmが誕生しました。
おいしさは光合成で決まる
川名さんのお話では、トマトのおいしさはどれだけ光合成をさせるかで決まるそうです。
最新鋭のハウスの中は、ハイワイヤーで誘引された樹が、まるでトマトのカーテンのよう。トマトが気持ちよさそうに並んでいる光景は、まるで楽園のようで心がワクワクしてしまいました!
ハウスでは、光合成に必要な光、水、二酸化炭素をコンピューターが常に計測し、適切なタイミングで必要な分だけ与えるシステムになっています。
光を効率よく届けるために、床には白いフィルムが張られていたり、適宜丁寧に誘引を行うことで、トマトが本来持つ生命力を引き出しておいしく育つ環境を整えています。
“ハッピー”になれるトマト
赤・黄・緑と3色のミニトマトを育てる理由について伺うと、「お家に持って帰ったり手土産にした時に、食べる人にハッピーになってほしくて」と川名さん。
パックに描かれている可愛らしいイラストは、「トマトを手にした人がこの景色や地図を見て、こんな街に住んでるんだよ、って日野を話題にしてほしい」という思いが込められています。
カラフルなミニトマトが、つくる人と街を繋ぎ、食べる人を幸せにしてくれる。細部にまでこだわったトマトの背景には、とても素敵なストーリーがありました。
取材の最後にこれからのビジョンについて伺うと、「この1年かけて、栽培についていろいろなことがわかってきた。それらを活かして工夫しながら、来年はもっとおいしく、再来年はさらにおいしくなるように育てていきたい。農業には終わりもなければ正解もないから、30年かけて作っていきたいです」とおっしゃっていました。
この日、川名さんからお土産にいただいたトマトを自宅で待っていた子どもたちへ渡したときの第一声は、「すっごくかわいい〜!」でした。
畑から我が家へ。トマトが運んでくれた子どもの笑顔を見て、私自身とてもハッピーになれた一日でした。